定年を迎えたFさん そもそも、遺産の話をどうして弁護士に相談するのじゃ。
トラブルの防止という観点
親目線で見た「仲の良さ」と、実際の兄弟目線は、得てして異なる場合があります。
弁護士なら、「もめる可能性」「もめるとどうなるか」「もめないためにはどうすべきか」をアドバイスすることが可能です。
相続というと、「目に見えている財産を単純に割ればいい」とお考えかもしれませんが、実際には異なります。
生前に結婚式の費用を負担してもらったとしたら「特別受益」、介護施設の費用を捻出していたとしたら「寄与分」、そのほかにも考慮すべき要素が多く含まれるのです。
また、債務の確認も忘れずに行うようにしましょう。
単純に相続を認めてしまうと、多大な借金まで背負い込む場合があります。
このような場合は、「相続放棄」の手続きを取ることが可能です。
相続の開始時には、「財産と相続人の範囲」を確定することが不可欠。「知らなかった」では済まされませんので、弁護士にご依頼ください。
後々のトラブルを防止するためにも、「遺言」の作成をお勧めします。
書式には、以下に挙げる3タイプがあります。
作成費用や書き直す可能性などを考慮した上で、適した方法を選んでください。
迷うようであれば、弁護士が相談に乗ります。
自筆証書遺言 |
自分でしたためるタイプの遺言です。 |
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公正証書遺言 |
公証役場にて公証人が作成する遺言です。 |
秘密証書遺言 |
内容はほぼ「公正証書遺言」に準じますが、遺言内容を他人に伏せておけるのが大きな違いです。 |
遺産の分割を開始するには、相続人全員の合意が必要です。
よくあるご相談としては、親と同居していた相続人が、「自分の貢献度を反映してしかるべき」と主張をしてくるケースです。
裁判で争うと評価されにくい傾向にありますが、話し合いの場では、貢献度を認めてあげてもいいのではないでしょうか。
度合いにもよりますので、詳しくはご相談ください。
相続人は、法定相続分の2分の1を上限とし、財産を受け取る権利があります。
この制度を遺留分と呼びますが、遺言より効力がありますので、本来得るべき財産が残されていない場合に有効です。
なお、相続があったことを知ってから1年の時効があるのでご注意ください。
相続について話し合いがまとまったら、その結果を書面に起こし、形に残すようにしてください。
相続人全員の署名となつ印も必要です。
こうしておけば、後から「言った・言わない」のトラブルを防ぐことができます。
記憶違いや意図的な妨害も防ぐことができるでしょう。
トラブルの防止という観点
親目線で見た「仲の良さ」と、実際の兄弟目線は、得てして異なる場合があります。
弁護士なら、「もめる可能性」「もめるとどうなるか」「もめないためにはどうすべきか」をアドバイスすることが可能です。
遺言の必要性
では、質問します。将来、あなたのお墓を誰に管理して欲しいかなど、細かな部分まで決めてあるのでしょうか?
遺言を作成すれば、子ども同士が遺産の分配でもめないだけでなく、財産の所属を自分の希望どおりに指定することができます。
遺言の内容
原則として何を書くのも自由ですが、財産以外の項目には強制力がありません。相続人の確定
弁護士が戸籍などを元に調査しますので、安心してください。疎遠の人がいた場合には、相続を放棄してもらうような条件を持ちかけ、分割内容を平易なものにしていきます。
話し合いが付かなければ、調停などの法的手続きを積極的に利用すべきでしょう。
相続放棄について
債務額が大きい場合、相続する権利を放棄することができます。
ただし、負債だけを選ぶことはできません。プラスの遺産も手放すことになります。
また、この手続きは、相続のあることを知った日から3カ月以内に申立てる必要があります。
民法改正の流れについて
Kさんのような非嫡出子(婚姻関係にない男女から生まれた子ども)は、嫡出子の半分しか、遺産を受け取れませんでした。
しかし、法律の改正により、現在では同等の権利が保障されるようになったのです。
今後、財産の細分化を防ぐ意味でも、遺言の必要性が高まるかもしれません。