
皆さま、はじめまして。
弁護士の櫻井晴季(さくらい・はるき)と申します。
私が心がけているのは、「押しつける立場ではなく、使われる立場でいよう」ということ。
もし皆さんが法律を使いこなせるのであれば、弁護士という職業は要りません。
しかし実際のところ、法律の解釈や手続きは複雑すぎる傾向にあります。
それを、ご依頼者に成り代わって行うのが弁護士であり、このドラマの主役は「あなた」なのです。
皆さまは、「キレる17歳」というフレーズに聞き覚えがないでしょうか。ちょうど2000年を迎えたころ、テレビのニュースなどで「酒鬼薔薇事件」や「西鉄バスジャック事件」が報じられるたびに、コメンテーターが口にしていたセリフです。
私は同じ17歳として、この価値観の押しつけに、納得できないものを感じていました。
もしかしたら、肝心な本質を見つめないで、安易な言葉でひとくくりにしようとしているのではないか。
では、本質って何だろう。どうしたら、事件を起こす人の気持ちになれるのだろうか。
この疑問が、弁護士を目指すきっかけになりました。
本来、人の考え方はそれぞれですから、1つのフレームが当てはまる道理がありません。お悩みごとにしても、原因が異なれば解決方法も異なります。
それを、同じ法律で処理しようという発想は、根本から間違っているのではないでしょうか。
「押しつける立場ではなく、使われる立場でいよう」。冒頭でお話しした私のポリシーは、この考え方に基づいています。法律家が考える「正解」と、生活を送っている市民の「満足」には、得てして開きがあるものです。
私は、考えられる選択肢のメリットとデメリットをお話して、自分に合ったものや、これならできそうだというプランを選んでもらうようにしています。